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火中に栗を落とす(笑)

(2009-09-29)
最近とても忙しくてぐったりしている一方で、やっぱり自由に好きなものを書きたいという気持ちがすごく高まっている気がする。以前は、論文を書いていても、あーあ、またまったくの憶測に基づいて勝手なことを言われるんだなぁというちょっとぐったりした気持ちになっていたものだが(気にしていないようでやっぱりどこかで気になっていた模様)、今は、別にどう思われてもなんともないやという爽快な気持ち。どうせあと何年も論文書けるわけじゃないんだから(人生は短いんだから)、好きなことしか書きたくない。どう努力してもできないのです。

そうやって好きなものを書いていると、どうも自分は火中の栗を拾うのが好きなんだな、ってつくづく思う。よくよく考えてみると、誰からも愛されない論文だったりするのだけれど(笑)、でも「ここはこう書いていたほうが、面倒くさくなくて無難なのにな」と冷静には判断しながらも、ちょっとでも本意を曲げることができない。そんなものなら書きたくない。

そもそもやはり考えていて面白いところって、際どいところというか、難しくて誤解されるかもしれないけど、やっぱりこれはこうなんだ!!っていうところだし。簡単な練習問題を解くより、高度なパズルを解くほうが楽しいに決まっているので、結局あれも違う、これも違う、というかたちで自分の議論の輪郭を作っていくことになる。新しいことを作るときも、過去の議論との差異でしか、新しさはでない。

若い頃、思っていることを書いただけで、「売名行為」となじられたこともあったけど、そういう風な感じ方って、そのひとの感性をむしろ暴露していると思う。功利的にはしなくてもいい批判をするときって、こちらもギリギリの力を賭けて、ある種のやむにやまれなさに駆られてやっているわけで。できれば穏やかにすごしたほうが、ずっといい。周りにいい顔していたほうが、ずっと得だ。

でも、いつも「嘘はつけない」って思う。論文で嘘をつくなら、何のために面倒な論文を書いているのか、まったくわからない。学生のバイトのほうが割りはいいし、何よりも(信じないかもしれないけど)、わたしは目立つのは嫌いなんです、本当に…。自分自身の良心に向かってしか、論文は書けない。実に当たり前のことなんですが、どうも見ていると火中の栗を拾うというよりは、栗を火中に落としているみたい(笑)。なんだかなぁって自分でも思う。
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組織について

(2009-09-24)
民主的な組織運営って何なんだろうなぁと思うことが多々ある。大学ももちろん組織で、教授会が最終決定機関でないところは多いので、なかには教授会で話し合われたことが理事会にまったくあがらなかったり、たんなるガス抜きどころか揉め事しか作っていなくて、それなのに、結論だけはきちんと前もって決められているのに延々と会議だけは長い大学などあり、そういう時間の使い方って本当に虚しいと思う。それなら上意下達方式のほうが、粉飾されていないだけ、嘘がないかもとも、一瞬思ってしまう。

ときどき、「俺は教授会には、一切出ないんだ」ということを偉そうにひけらかす発言があるけれど、それって、自慢することかなぁ?といつも思う。好きな研究と授業だけやっていたいというのは本音かもしれないけれど、他人に組織運営を任せていて自分だけが美味しいところを採りたいって、どういうことなんだろう。形式だけでも学問の自治とか、信じていないわけ?と不思議でたまらない。同じ組織で働いている同僚に対して、どういう風な倫理をもっているんだろうなぁとも。もちろん、そういうひとは、そういう発言によって、大学運営のあり方とかにプロテストしているのかもしれないけれど、決まって高偏差値大学の大学の先生なので、相対的にいろいろなことに恵まれていて、自分の地位がなくなったり、脅かされたりする恐れなどがないんだろうなと、憶測してしまいます。

まぁそんなことは他人の生き方なので、わたしがどうこういうことではないし、今の同じ組織にそういうひとはいないので、ブログに書くようなことでもないんですけど(笑)。会議は長いけれど、ちゃんと話し合うプロセスにも意義があると思えるので、ぐったりと疲れる感じはあまりなく、満足しています。

それはさておき。組織なんですけれど。大学よりももっと、ある特定の価値に基づいてその価値を実現するために存在している組織の場合、「公平」で「民主的」な組織運営を心がけて、ピラミッド構造を作らないように努力することがあります。小集団では、できればそれがいいんだろうなぁと思うのだけど、これが、大きな組織になってきたときに、難しさが発生するなぁと思う。具体的には、その組織で要職を担うひとが「権力者」と批判されたり、とても効率の悪い組織運営しかできず、みんなの時間を膨大に食っていくとか、そういうような問題が起こることがありますよね。

こういうのってどう考えればいいんでしょうかね? みんながみんな時間があるわけでもないし、でも民主的にやろうと思っていると、みんなが膨大に時間を割かなきゃいけなくなるし…。

わたしは当たり前ですが、組織がある程度組織として体をなすことは必要だなぁと思っています。たいていそういう組織はたいした「権力」があるわけじゃないんですけどね。信頼関係のなかで誰かに「役割」をお願いする。頼まれたひとは「役割」をこなす、ことのほうが、ときとして、権力に歯止めがかかると思います。実際には何某かの構造を作らなきゃ動かないのに、組織を組織していないかのような欺瞞からはじめるべきじゃないと思う。他のひとは、役職者が「役割」から逸脱したりした場合は異議申し立てをすればいいのだし、その代わり「役割」は権力(?)と義務の体系でもあるのだから、無償で「役割」をこなしてくれているひとに、感謝も忘れるべきではない。本当にある権力関係をないかのようにするよりは、組織における権限を決めておいたほうが、かえって健全な関係が築けるのではないかなぁと、わたしは思います。

なんだか取り留めなくなりました。いつもですけど…。


健康と時間

(2009-09-23)
とあるひとが、公平に組織を運営したり健全な人間関係をもつには、健康と時間が必要だといっていました。
わたしがいうのも差し出がましいけれど、わかる…と思う。

あちらこちらに義理を欠きたくないとか、あのひとはどうしているだろう、手紙やプレゼントでも送ってあげたいと思うけれど、日常生活でその少しの時間を捻出するのって、本当に難しい。
平日は、メールの返事を返す5分すら、1日見つからないときもある。
限られた時間とエネルギーをどう配分するか、というのは、本当に考えさせられる問題だ。

難しいなぁと思うのは、時間って、ひとによって貴重さが違うこと。
自分の学生時代を考えてもそうだったけれど、無限に時間のあるときには、時間が貴重なひとのその貴重さって、あまりわからない。本当にわかんなかったなぁ…。

わたしたちの仕事は、やはりつねに時間に追われているので(まぁどの仕事もそうだけど。でもチャイムで10分の間に移動したりしなきゃいけないので、本当にお手洗いにいけないこともあったりして、どうしても時計に身体を従属させてしまう)、これが結構つらいです。
職場を移動してよかったなぁと思うのは、電車のスケジュールに縛られなくなったこと。
少ない本数の電車に合わせて、時間調整をして帰る、というのが、本当に苦手でした。
電車が来そうだったら、走る必要があったし。
できればのんびり時間に関係なく歩いて、電車が来なければ12分~20分くらい待ってもいいやと思うのですが、なかなかそうもいかないことも多かったので、今は実はバスがそれ以上にないのだけれど、バスなので、時間合わせはできないし、そういう感じが、ホッとします。

甘えているかもしれないけれど、原稿を書くということと、生活や事務の細々したことってなかなか両立しにくい…。雑事をしながら、考え事って本当に難しい。疲れてくると、思考することも難しいし。
どうしてわたしたちの存在は肉体に制限されているんだろうなぁって、つくづく思う。
実は今、とても疲れていて眠いのです…。支離滅裂ですみません。寝ます。


武蔵大学に入るコツ(ウソです)

(2009-09-16)
ブログを読んでくれているひとから、「武蔵大学に入るためのコツなど教えてください」といわれましたが、…それはちょっと無理かも(笑)。でも、オープンキャンパスは行ったほうがいいです。入試の勉強の仕方とか、できる範囲では教えて貰うことができる、かも。

でも入ったあと、後悔しないコツなら教えられます。
自分が勉強したい分野の本を読んでみる(わたしが第一希望を落ちていたら、進学予定だったのは、法学部かスペイン語でした。語学も法学も、教養の授業を受けて、死ぬほど自分には合わないことを発見し、あとからホッとしました)。

どんな先生がいるのか、調べてみる。
(小さい学科なのか、大きな学部なのか。社会学のできる大学でも規模は、まちまちです。教員が数人のところから、何十人もいるところまで)。

でも研究者になるのではなかったら、学校の場所とか(田舎でも平気なのか、都会じゃないと嫌なのか。わたしは、個人的には郊外型キャンパスは苦手…電車の本数を気にして帰ったり、近くにカフェがないのがつらいタイプだから。家からの距離と近くの家賃の相場も大切かも)、雰囲気とか(真面目に授業にでる雰囲気なのか、遊びが中心なのか、管理が厳しいのか、自由なのか)、規模とか(雰囲気と重なりますが、大教室の授業で放任されているのが好きなタイプと、こじんまりとじっくりと勉強するのが好きなタイプといろいろでしょう。こじんまりした大学のほうが、友達ができやすいけれど、仲間外れになると大変かな、とか)、授業料や奨学金とか、そういうほうが大切ですよね。国立は経済的理由で授業料を免除してもらえますが、私立はほとんどない、とか。

でも何よりも、その大学の先生に、目を見て「本当にこの大学を薦められますか? どこの学部が一番いいですか?」と聞くのが一番のような気がします。今までいろいろと(保護者を含めて)相談されたけど、本当のことをいってきたので。そう聞かれると、いい加減なことはいえません…。


Summer vacations will be over.

(2009-09-15)
もうすぐに大学が始まってしまうというのに、何だか廃人です。先日、入試関連業務と会議で1日出たら、ぐったり疲れ果ててしまいました。身体が夏休みモードなのでしょうか? 週末の日本家族社会学会の20周年記念パネルも何とか終わり、でもまだNHKラジオの収録と諸々が残っているので、気が抜けません。

新自由主義について書こうと思っているのですが、わたしの書きたい事象については、先行研究がほとんど見つからないです。自分が持っている文献もざっともう一度目を通しましたが、いっそのこと、もうざっくりとアウトラインを荒く書いたほうが面白いんでしょうか。読んでいて面白いかもしれないけれど、論文の完成度としては、かなり落ちますよね。悩みます…。

しかも、日頃からきちんと資料を取っていなかったせいで、記憶にはあっても資料が手元にない。ここでいう資料というのは、瑣末な週刊誌報道ですが。武蔵大学にうつるときに、2000年から、2002年までのほぼ3誌毎週取ってあった女性週刊誌の山を捨ててきたことを、激しく後悔しています。あの頃の小泉報道、一から調べるのは本当に大変。小泉が自分の写真集を出して、バスローブの写真とともに、変な詩ともつかないお手紙を女性読者に向けて書いたその文章なんて、いまとなっては調べようもありません(時間かければあるけど)。

なにが必要となるかなんて、その場ではわからないものですね…。


プロフィール

千田有紀

Author:千田有紀
メールはsendayuki☆☆gmail.com(☆☆を@に変える)にお願いします。東京外国語大学のアカウントとソネットのアカウントは、すでに使用を中止しています(はじかれませんが読めません)。

引っ越しました
Tokyo日記より引っ越しました。よろしくお願いします。 管理人は、千田有紀です。学歴職歴などの経歴はこちらを。今までの著書、編著論文翻訳事典ほか時評ほか書評学会発表研究助成活動は、それぞれクリックしてください。カテゴリーの業績一覧をクリックしていただければ、もっと早いです。 前の日記で書いたBLスタディーズは、こちら。ほかの方にも取りあげて戴いたので、リンクをはっておきます。 業績などの一覧は大学のHPでも見れます。こちらのほうがきちんとまとまっております。
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今までの論文
今まで書いた論文の一部を紹介します
日本型近代家族―どこから来てどこへ行くのか
千田 有紀
勁草書房
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日本の近代家族について。ここ10年ほど書きためたものと、1990年代以降の変化を踏まえて日本の近代家族をどうとらえればいいのかの書き下ろし。
上野千鶴子に挑む
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勁草書房
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いちおう上野さんの退職記念論文集です。あまりない形式かもしれませんが…。
喪男の社会学入門 (アフタヌーンKC)
カラスヤ サトシ 千田 有紀
講談社 (2010-09-22)
アフタヌーンKCから出ていますが、いちおう対談本です。 もちろんカラスヤさんのマンガもふんだんに。
女性学/男性学 (ヒューマニティーズ)
千田 有紀
岩波書店
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ヒューマニティーズのシリーズのなかの1冊です。いちおう「高校生にもわかるように」書いたのですが、どうでしょうか? でもですます調で、わかりやすくを心がけています。
日本家族史論集〈1〉家族史の方法

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「『家』のメタ社会学:家族社会学における『日本近代』の構築」が掲載されています。日本家族史論集のシリーズの初巻です。 「家族社会学の現在」が掲載されています。
これからの家族関係学 (武蔵野大学通信教育学部テキストシリーズ)
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「さまざまな『家族』のかたち」、「家族規範の成立と変容」。教科書です。
リブという“革命”―近代の闇をひらく (文学史を読みかえる)

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  『資料 日本ウーマン・リブ史』について書きました。これは珍しく、思っていることを存分に書けた気がします。   画像がでませんが、戦後核家族論について書きました。
脱アイデンティティ
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ポジショナリティ論について書きました。いろいろあって、少し舌足らずかもしれません。今ならもう少し違ったように書けると思うのですが、そのときにしか書けないものもあるのかなとも思います。
構築主義とは何か
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構築主義の学説史・理論的整理。思いがけず、たくさんのひとに引用してもらって、嬉しかったです。
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エイズという表象についての章を訳しました。かなり興味深い論考で、アメリカに限らず、歴史と記憶、表象をめぐる政治について考えたい方にはお勧めです。
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院生のときに訳したものですが、まだ古びてはいないと思います(かな?)。
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川島武宜「日本社会の家族的構成」について。
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ネオリベラリズムとフェミニズムについてまとまったものを書いたのはこれが初めてでした。 「戸田貞三『家族構成』」、「有賀喜左衛門『日本家族制度と小作制度』」、「中根千枝『家族の構造』」について。渋いところですけど、面白いですよ。
倫理 2008年度 (2008) (NHKラジオ NHK高校講座)

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ラジオ講座のテクストです。とにかく綿密にチェックしていただいて、びっくりしました。かなりじっくり書きました。
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