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横森理香のお受験突撃!!!

(2009-11-07)
子育てエッセイ&マンガの類は、ここ20年ほどは、ほぼ網羅的に読んでいるのだけど、この横森理香の『お受験突撃!!!』は面白かった。

横森理香のお受験突撃!!
横森 理香
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というのも、子どもをインターの幼稚園に入れたことを、はやり考え直して、国立大学付属小学校を受験しているから。やっぱりそうか、と思いました。

自分の経験からいって、インターやアメリカンスクールに入れたほうがいい子どもっていうのは、ハーフの子ども(両親で喋る言語が違う)か、外国の子ども(日本に永住する気はない)か、外国籍をもっているこども(例えばアメリカの国籍をもっていて、あちらで働ける)、以外には、考えられない。両親が日本人なのに、インターに入れるっていうのは流行っているけれど、かなりいろいろなことを意識的に補っていかないと、難しいのではないかと思う。

外語大に勤めたり、アメリカにちょこっと住んだりしてしみじみと感じたことは、バイリンガルになるのは本当に難しく、とにかく避けるべきことは、セミリンガルいなることだということです。どの言語も喋れないし、使いこなせない、母語のないひとっていうのは存在するけれど、ひとは言語を超えて思考したりすることは難しいので、やはりそれだけは避けたほうがいいのではと(しかも言語は言語だけではなく、生活とともに、社会的な約束事や歴史や文化と一緒に覚えなければ意味がない)。

例えば、憶測で勝手な例をあげて申し訳ないけれど、押尾学は、小学校までアメリカにいたので「英語がペラペラ」だと報道されていますよね。でも彼本人が、インタビューで「英語できないので悔しい」と語っていたのを見たことがありますし、おそらく、事実としてもそうだと思います。彼が喋れるのは、おそらく小学校程度の英語なのではないかなぁ…。ですから、レストランで注文したり、ちょっとした世間話はできるかもしれないけれど、例えばディスカバリーチャンネルを理解したり、政治について語る、というようなことはできないと思います。

留学生がひどい日本語をもってきて、「ちゃんと日本人にみて貰いなさい」というと、「みて貰いました!!」といわれて、仰天する経験が何度かありました。大学関係者じゃない、日本人にみて貰っていたのだと思います。つまり、何がいいたいのかというと、大学教育を受けていない日本人より、大学にいる外国人のほうが、大学レベルの日本語は上手い、ということです。つまり自分の母国語で理解できないことは、外国語でも理解できない、母国語がないということは、知的な発達も期待できない、ということです。

大金をはたいて英語を教えて、大金をはたいて、それを取り戻しているのは何なんだろうと著者は書いていますが、早く軌道修正で来てよかったんじゃないかなぁと思います。
「今朝何を食べましたか?」
「今朝って何?」
「This morningってことよ」
「ああ」
みたいなことを小学校前に家庭内でやっているって、やっぱり大変ではないか。
親子で文化が断絶している状況を一生懸命作りだすって、錯綜しすぎていると思います。

そもそも、英語ができるって、そんなに素晴らしいこと?って、疑問に思います。わたしも以前は、英語ができればなぁとは思いましたし、研究者になったら、「英語は必要だな」と思うけれど、仕事柄以外には、海外旅行ができるくらいのメリットしか思い浮かびません。すべての人生を懸けて獲得するようなものでもないと思う。むしろ、英語ができても、語るべき内容のない人間にならないことのほうが大事だとしみじみと思います。もちろん、直接コミュニケーションできることは、とても素敵なことですが、それは大人になってから頑張っても、挽回可能です。発音が多少よかったらなんだというのだ(と、負け惜しみ?)。

この本の結果は、国立大学付属小学校不合格なのだけど、またこれも実はハイリスクな選択だと個人的には思います。標準化されない教育って、よくできる子にはとても素晴らしい教育となる一方で、適応できない子どもは、まったく小学校で勉強する内容が身につかないことにはならないのだろうか…。付属に行って素晴らしかったんだろうなという素敵な例とともに、全く基礎力が身につかず困り切っている例もみたことがあるだけに、難しいなと思う。子どもの教育って結局のところ親の選択でしかありませんから、どこまで責任を持てるのかっていうのは、本当に難しい問題だと思います。
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英語より話の内容

同感です.負け惜しみなんかじゃないと思います.
実は私も父も大学教員,ただし畑違い.昔のインテリにありがちなことと思うんですが,とにかく英語ができなくちゃいけないという考えが父には強く,私は幼いときから英語をたたき込まれました.バイリンガルに育てたかったようです.父は流暢な英語で外国人と話したりしてました.
私はというと,発音が悪いと引っぱたかれたり文法間違えたとののしられたりしてるうちに英語が嫌いになりました.職業上やむなく使ってますけど,どうしても好きにはなれません.
そして,父には海外で認められた業績がないけれど,私の定理は海外で大学院教科書に載ってます.
英語ができなくては不自由だけれど,話が通じれば十分であり,ネイティブ並みに喋れることなど期待しなくて良いのは,国際学会に参加するたびに感じます.英語が母語じゃないヨーロッパ人たちがめちゃくちゃな英語で立派な議論してます.

三ねんせいさん

ひっぱたかれたり、罵られたりしたら、絶対に英語好きになんてなれませんよね。何事にも勉強は楽しくするのが基本。「これを覚えたらこんなこともできるんだ。やれば自分もできるんだ」という目的と達成感なしに、勉強なんて出来ない気がします。

英語ができるということと、中身が伴っているということは、必ずしも一致しませんよね。手段としての英語が使えるということは、ある程度までは必要ですけれど。

それに傑出した業績でしたら、英語のほうから寄ってきますし。教科書に載られているなんてすごいですね。尊敬します。
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